ライターにもっとも必要な能力は「文章力」である。「情報が正しく伝わる文章を書く能力」ということである。ところが、「タウン誌の記事にあるような話し言葉」を「正しい文章」だと思っている若者が多い。
言葉は並んでいるが、何がどんなふうに、お得で、素敵で、癒されるのかが全くわからない。質問をすると、文章には書かれていない情報を持っている。自分の書いた文章に、頭の中にある情報を重ね合わせて満足し、読み手に伝えなくてはならない情報が文章に含まれていないことに気が付かないのである。また、「書き慣れている」と思っている人に多い間違いは、読み手の存在を無視し、難しい特殊用語や専門用語を多用しながら書き進んでしまうことだ。
ライターとして正しい日本語を使うのは当然だが、読み手のプロフィールや年齢、性別も意識し、無理なく理解してもらえるように書かなくてはならない。
2つ目に大切なのは、「取材力」である。求められる原稿を書くにあたって、「誰に何を聞いたらよいか」を整理し、取材先を選び、アポを入れ、取材主旨を説明し、取材日時を調整する。初対面の相手から、必要な情報を短時間で引き出す能力である。
3つ目は「情報分析力」である。実際に取材してみると予想していたよりもたくさんの情報が集まる。原稿を書く前に、その情報を整理し、必要のないネタを捨て、必要なネタをどう生かすかを考えなくてはならない。また、集めてきた情報が正しいかどうかも確かめなくてはいけない。この見極めには「一般教養」が必要になる。
取材先は実にさまざまである。昨日は会社経営者、今日はボランティア団体、明日は陶芸家・・・・・・。インタビューしている時に取材相手の言葉にどう反応し、どう展開させるかは、ライターが持っている教養によるところが大きい。取材相手が置かれている状況や業界のことなどは、事前に調べなくてはならない。
さらに付け加えたいのは、「体力」「根性」「貧乏への忍耐力」「立ち直りが早いポジティブ思考」。いつまでも落ち込んでいたり、くよくよしていたら、原稿が書けない。多少は神経が図太い方がいい。