フリーライターの仕事の依頼はほとんどが個人的な人脈によるものといっていい。だから、知り合いの紹介で仕事が入る。編集者だったり、カメラマンだったり、ライター仲間だったりする。「こんな仕事があるんだけど、やらない?」といった具合だ。「この人は力不足だから、ちょっと紹介できないなあ……」なんて、思われていたら、お声はかからない。実力が仕事につながる業界なのである。
独立前に勤めた会社で「きっちりと仕事をする人」と評価されていたなら、クライアントだって放っておかない。「直接お願いしたい」という展開もある。フリーライターとして食べていけるかどうかは、「勤務時代」の実績と信用によるのだ。
「信用」と「実績」を作る前に独立すると、「紹介の道」が限られるから、フリーライターの道はかなり厳しいものになる。だから、当然のことだが、勤務時代の仕事をしっかりこなして欲しい。そして、新人時代から、自分の書いた記事が掲載された雑誌や新聞はきっちり管理しておこう。独立後の挨拶まわりで、「自信作」を置いてくることができるように、複数枚保存しておくことをおすすめする。
名刺の管理も重要だ。仕事を通じて交換した1枚の名刺が新しい仕事につながる可能性がある。独立の挨拶まわりでは、「今までどんな仕事をこなしてきたのか」を実際の執筆物で示し、「どんな内容の仕事が欲しいのか」を具体的に明記した文書と連絡先を明記した名刺を置いてくる。挨拶に伺ったところ全てから仕事の依頼があるわけではないから、できる限り数は多いほうがいい。
「飛び込み営業」は、かなり実績を積んでいないと相手にされない。私は企画書を持ち込んだスポーツ新聞社3社から、新規の仕事の依頼を受けたが、それは、夕刊紙でルポや企業・人物紹介の連載をしていた経験が実を結んだものだ。「同じ畑の仕事をしていたライターさん」という安心感も担当者をその気にさせた。「押しの強さ」や「運」では仕事はこない。「今まで何をしてきたか」「どんな記事を書いてきたか」が問われるのである。
余力があれば、ホームページを開くことをおすすめする。即効性はないが、外注ライターをインターネットで探す編集者は少なくない。しかし、エッセイ的なものをダラダラ展開するのはマイナスになる。編集者が知りたいのは、あなたの「プロフィールと実績」である。