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札幌で生きる〜フリーライターという仕事
第15回 欠かせない社会常識とマナー

フリーライターのファッションは、カジュアルシャツにコットンパンツとスニーカーというラフなスタイルが多い。ヘアースタイルは手櫛で整えた程度。肩掛けかばんに入っているのは、ノートとボールペン。「堅苦しいスーツを着なくていいし、衣服にお金がかからない」というのが、男女関わらず、多くのフリーライターの共通認識だ。

仕事中の服装について、編集者やカメラマンに「とやかく」言われることはないが、私は、取材場所や取材相手に応じて、使い分けるべきだと思っている。

社長にインタビューするときには、スーツやブレザーを着用すべきだし、ご自宅へお邪魔するときには、清潔感のある装いが相応しい。農作物を収穫する「芋掘り」などのイベントの取材には、畑で作業中の参加者の横でインタビューできるように、農作業も可能な服装がいい。当然、長靴の準備も必要だ。何も難しいことではない。取材相手に違和感を与えない服装を選んで着るということである。

取材相手は取材者のことを第一印象で判断する。第一印象は服装や身だしなみで決まる。どんなに仕事ができるライターでも、無精ヒゲにしわしわのシャツでは、社会人として信用してもらえない。「この人で、大丈夫かな?」と取材相手が思ったら、インタビューは失敗だ。人間は不信感を抱いたら、心を閉ざすか、適当にあしらうものである。女性ライターも仕事中はパンツスタイルが適当である。Gパンではなく、スラックスがいいと思う。

また、服装や身だしなみが整っていても、社会常識やマナーを知らなくてはライターとして失格である。フリーライターには出社がないから、「お気楽な毎日」が当たり前になる。時には朝寝坊も許されるし、同僚や上司に気を遣うこともない。ところが、「マナーは自分流」などと軽く考えていると、取材先から「礼儀も知らない人間は信用できない」と確実に嫌われる。大手企業広報部の担当者から嫌われると、取材拒否にもなりかねない。

案内された応接間で、どの椅子にすわるか。受け取った名刺はどこに置くか。適切な敬語を使って取材主旨を説明できるか。打ち合わせ時も取材中も社会常識やマナーが試される場面が少なくない。フリーライターという立場そのものの社会的信用が低いからこそ、あなた自身の言動が試され、問われるのである。