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札幌で生きる〜フリーライターという仕事
第14回 独立の準備

編集者は1、2年、同じ仕事を繰り返していると、転職・独立願望にとりつかれることが多いが、慌てて独立などしてはいけない。職場が嫌になったら自立できるほどフリーは甘い世界ではない。年齢的な目安は30歳前後だと思うが、大切なのはフリーとして活動する基盤が整っているかどうかだ。

●編集者として十分な経験を積んだか
●正しい文章を書くことができるか
●クライアントの要求に合わせて、文章を書き分けられるか
●複数のクライアントから定期的な仕事の依頼が見込めるか などである。

上記4つの基盤のうち、難しいのは「定期的な仕事」の確保である。安定した収入を得るには、定期的に発行される週刊誌・月刊誌などに関わることだ。フリーになる前に、関係者との接点を作っておくといい。

しかし、最初の2カ月は収入がないことを覚悟しなければならない。原稿料の支払いは、入稿してから2〜3カ月先が当たり前である。たとえば取材を1月に行って、1月15日に原稿を納めたとしよう。その原稿が雑誌として発行されるのが2月10日なら、締め日は2月末で、支払いは翌月3月末になるというわけだ。1月の仕事がお金になるのは、3月末日という、気の遠くなるような話である。だから、独立するなら、2カ月間は未収入でも暮らせるくらいの貯金が必要だ。

全く違う業種から脱サラでフリーライターを目指す場合もあるが、4つの基盤が整っていないことが多いので私はおすすめしない。収入はサラリーマン時代の半分以下で、ボーナスもない。予想以上の下落に精神的に参ってしまう。時々マスコミには、脱サラして作家になった人物が登場するが、特別なケースと考えたほうがいい。

また、大手出版社にいてフリーライターとして独立する場合もあるが、勤務時代の人脈を当てにしてはいけない。大手出版社の社員という肩書きで動くのと、フリーライターという個人的立場で動くのでは、世間やクライアントの反応が全く違うのである。大手であればあるほど、フリーの厳しさが身にしみるかもしれない。